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【事例紹介】地方自治体の防災に関する取り組み【先進事例】

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【事例紹介】地方自治体の防災に関する取り組み【先進事例】

東日本大震災、令和元年東日本台風など数十年に1度と言われる災害が毎年のように発生しています。

世界的に見ても特に災害が多いといわれる日本では、国や自治体をあげてさまざまな防災対策が行われています。

この記事では、地方自治体で行われている防災に関する取り組みの事例を紹介します。

地域防災計画

このような災害に備えるための法律として「災害対策基本法」があります。

災害対策基本法は、防災計画の作成、災害時の応急対策、災害予防などの役割を明確にすることで、さまざまな災害から国民の命と財産を守るため、制定された法律です。

この法律に基づいて、地方自治体の防災にかかる計画である「地域防災計画」が策定されています。

地域防災計画は、地方自治体の長が、それぞれの防災会議に諮り、防災のために処理すべき業務などを具体的に定めた計画です。

地域の特性やリスクに応じて、適切な対策を立てるための基盤となります。

こうした計画をもとに、各自治体で取り組みが検討されていきます。

 

 

火山防災トップシティ~鹿児島市の桜島火山防災対策~

活火山である桜島を有し、麓や対岸に合わせておよそ60万人の市民が生活している鹿児島市では、これまでハード・ソフトの両面から火山防災対策に取り組み、さまざまな試行錯誤を経ながらその充実に努めてきました。

その長年の経験や実績に裏打ちされた実効性のある対策をさらに向上させ、火山防災のモデルとして世界に発信することで、火山災害の被害軽減に寄与することを目指しています。

火山防災教育

その取り組みの中でも特徴的なのが「火山防災教育」です。

・専門家を派遣しての学校での講座開催
・桜島を訪問しての体験学習
・火山防災スペシャリスト養成研修の開催


これらのように、市の内外へ、また、子供から大人までを対象に教育活動を行っています。

また、海外メディアからの取材等も積極的に協力しており、国外の火山防災の向上へも寄与しています。

 

中学生が牽引する避難訓練~高知県幡多郡黒潮町~

黒潮町立佐賀中学校は、南海トラフ地震が発生した際に、34.4mという高い津波が到達するとされる地域に位置しており、さまざまな防災活動を行っています。

中学校と隣接した小学校や保育所と連携した合同避難訓練や地域と連携した炊き出し訓練などを実施しているほか、高齢者宅を訪問しての避難訓練、津波タワーへの避難訓練、ハザードマップづくりなど、多様な防災活動を定期的に実施しています。

生徒たちが防災活動に関わりを持つことで、これまで訓練に参加しなかった地域住民の参加も増えています。たとえば、最近実施した夜間避難訓練では住民参加率100%を実現しました。中学校の生徒たちが地域防災を牽引することで、深いつながりも地域に生まれています。

 

日本一「短い」防災活動

東日本大震災のとき、およそ7割の方が屋内で被災ことに着目し、考えられたのが日本一「短い」避難訓練です。

寝室やリビングから玄関先まで避難する訓練で、屋内避難訓練と呼んでいます。

中学生が各家を訪問して、その家の方と一緒に玄関までの屋内避難訓練を行い、廊下が段差になっていて危ない場所などを確認しています。

こうした中学生を中心にしたよく考えられた取り組みは、各地域で参考にされているところです。

 

防災VR・訓練押しかけ支援隊~大分県~

大分県では平成28年熊本地震や平成29年九州北部豪雨、令和2年7月豪雨など人的被害を伴う大規模災害が発生しています。

大分県では、それら大規模災害それぞれにおける課題を踏まえ、「災害に強い人づくり・地域づくり」を施策として掲げ、防災教育の充実や地域防災力の強化に取り組んでいます。

 

おおいた防災VR


過去に被災経験のある人は、ない方よりも防災意識が高いという調査に基づき、災害を疑似体験できる動画「おおいた防災VR」を令和元年度から制作しています。

【地震編】、【津波編】、【土砂災害編】、【洪水・浸水害編】、【台風編】が制作されています。
制作した動画は、学校や地域等へ視聴専用ゴーグルを貸し出すとともに、YouTubeでも公開されており、県外でも役立てられています。

 

訓練押しかけ隊

過疎の進む地域では、マンパワー不足や高齢化等の理由から、防災訓練を実施するのが難しい地域があります。

このような地域に対して、訓練の計画から実践までを支援する、「訓練押しかけ支援隊」が派遣されています。

派遣先の地域では、防災士や自治会長、民生委員等を中心に学習会を行い、訓練当日はこのメンバーを中心に、避難訓練や避難所運営訓練、炊き出し訓練等を行います。

派遣をしたその翌年度からは、各地域で住民主体の防災訓練が継続されています。

 

住民と地元企業による取組~和歌山県海南市~

海南市は南海トラフ地震発生時には、は約8mの津波が到来し、人口が集中する沿岸部一帯が浸水するとともに、最大震度7の揺れにより市内の建物は約39%が全壊すると予測されています。

この地震に備え、自治会自主防災会3団体と地元企業(ENEOS 和歌山石油精製株式会社)が、津波避難場所における情報収集・伝達活動や救急・救助活動等の強化を図り、命を守ることを目的として「自治会自主防災会・臨海企業連絡会」を設立しました。

避難場所には、地域住民と地元企業が必要な資機材や物資を備蓄するとともに、毎月、発電機等の点検や動作確認を継続して実施しています。

年一回の市全体の津波避難訓練や、独自の夜間津波避難訓練を実施するなど、地域で積極的に取り組みを行う先進事例です。

その他に市では津波対策の水門、護岸工事等のハード面の対策も進めています。

  • この記事を書いた人

かもしま

◇現役の県庁職員
◇公務員の前は民間企業(不動産)勤務
◇県庁採用試験は1ケタ順位合格
◇1児の父として子育てに奮闘中!

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