北海道出身の公務員志望者は、多くの人が受験するであろう道庁。
広大な面積や、気候の違い、他の都道府県とは違った点がたくさんあります。
では面接を受ける際の志望動機はどう話しましょう。
東京都庁や一般的な県庁の志望動機は、具体例がインターネット上などにたくさんあるけれど、道庁のものは少ないですよね。
そう感じた皆さんに向けて、今回は現役公務員の目線から北海道庁の志望動機を考えてみたいと思います。
目次
北海道の概要
その特徴はなんといっても広さでしょう。
総面積は約8万3千㎢で当然都道府県第1位です。
市町村は170を超える数が存在しています。
こうした多くの市町村をまとめるのも道庁の大切な仕事で、他の都道府県とは違った取組がある要素になります。
都道府県の魅力を取り扱うランキングでも常に1位を取っているように、他の地域から見たイメージが高い土地でもあります。
こうした広さや、本州から離れた環境の魅力をどのように仕事に繋げるかが、北海道庁の面白いところでしょうか。
ちなみに東京や大阪などは「県」や「府」を言わずに呼ぶことも多いですが、「北海」ということがないのも特徴ですね。
英語表記でも「Hokkai Government」とはせず「Hokkaido Government」とするそうです。
道庁が力を入れている分野を調べる
まずは北海道のホームページを見てみます。
ホームページをポチポチと見て回って、興味のある取り組みを探してみましょう。
たとえばこんなページを見つけました。
北海道へ移住する人を増やすための取り組みですね。
今は感染症の流行などもあり、自然の中での暮らしに注目が集まっています。
東京都からの人口流出も、役所界隈では話題になっているところです。
北海道としても、そうした移住を考える人たちを引き寄せたい狙いもあるのでしょう。
北海道庁では、北海道への移住を考えている方や、北海道での暮らしに関心をお持ちの方からの様々なお問い合わせや、ご相談に対応する窓口を東京と札幌に設置しております。
北海道内の市町村情報をはじめ、「しごと」 「住まい」 「暮らし」などに関する情報をご紹介し、ご相談にお応えします。ぜひ、お気軽にお問い合わせください。
こうした言葉のうち「しごと」という面では、減少が懸念されている農業や林業、漁業の担い手を増やすことにつなげる狙いも考えられますよね。
こういった興味を持った部分を中心に志望動機を考えてみましょう。
自分の長所と繋げる
志望県の力を入れている分野を確認したら、今度は自分の長所を考える作業をしてみましょう。
志望動機を伝えるときは
・この職場にやりたい仕事がある
・その仕事は自分の力を活かせるものである
というロジックが使いやすいため、長所を考え織り交ぜることがおすすめです。
今回は北海道への移住、新規就農者や漁業者を増やすことに取り組みたいとして、その仕事に活かせる長所を考えてみます。
人をまとめる力が長所の場合
まずは「人々をまとめる力がある」という長所です。
こうした仕事は公務員の間で「調整」と呼び、得意であればとても重宝されます。
新たに北海道に移り住む人々、昔から農業や漁業をしている人々、住宅を手配する部署や会社...
様々な立場の人たちと話をし、まとめる大変な仕事です。
こうした仕事と、部活動の問題を解決した経験、アルバイトの業務を改善した経験などを並べて話すことで、自分の長所を仕事で活かすビジョンをわかりやすく伝えることが出来ます。
コミュニケーション力が長所の場合
コミュニケーションや複数人の調整が得意な人には、逆に中長期的に時間のかかる仕事を挙げると長所とマッチします。
例えば、「事故が多い道路の歩道を広くしたい」という住民の希望を叶えるだけでも、以下のような様々な人や組織と関わりがあります。
・市役所の都市計画を担当する部署
・工事に交付金を出す国交省
・必要な土地の所有者
・信号を管理する警察
・工事を行う業者 などなど…
大きく、時間のかかる仕事には必ずコミュニケーションが得意な人材が必要です。
スーパーシティなどの街づくり、市町村をまたいだ交通網、役所での手続きの抜本的なデジタル化。
今ある仕組みにテコ入れをする壮大な仕事を、志望動機に絡めるといいかもしれません。
面接で話す志望動機の具体例!
これまでにお伝えした内容から、具体的な志望動機を考えてみます。
具体例①
私が北海道を志望した理由は、地元である北海道への移住促進に取り組みたいと考えたからです。
近年、感染症の流行やテレワークの普及などにより、東京都からの人口流出が増えていることを耳にしました。
また、北海道では農業など、地域社会の今後の担い手が不足している現状があります。
こうした機をとらえ、東京を含めた都市に住む人へ北海道の魅力を伝え、観光地を超えて「住む場所」として北海道を見てもらうことが必要だと感じています。
私は地元である北海道が今後も持続的に発展するためにも、これまで培ってきた人をまとめる力を活かし、移住者を取り込む事業に取り組んでいきたいと思い、志望しました。
具体例②
私が北海道を志望した理由は、地元である北海道の地域の担い手不足を解消する仕事をしてみたいと考えたからです。
農業や漁業の特産品のイメージが強い北海道ですが、担い手不足で耕作放棄地が多くあることなど、課題は今後増えていくものと思います。
そうした状況を解消するためにも、私は他県からの移住者を増やすことが必要だと考えています。
そのための取り組みを進めるためには、市町村をはじめ、農業や漁業の団体など、様々な立場の方々との調整が必要です。
私の得意な他人とのコミュニケーションを通じて、市町村や農業、漁業などの団体などを巻き込み、北海道全体に人を呼び込む仕事をしてみたいと考え、北海道庁を志望しました。
注意してほしいこと
上記は一例なので、ぜひ参考にしつつもご自身の心に響いた北海道像を絡めて話してほしいと思います。
ただし、以下のような点は気を付けて!
道内の市役所ではいけない理由を用意する
志望動機を考えるとき、考えなければいけないのは「同業他社ではダメなの?」ときかれた場合の答えです。
北海道は他県よりも市の面積が広いことが多いです。
札幌市などでは県庁と同じような権限を持ち、広い範囲をカバーする仕事をしています。
過去の夕張市のように財政力の低い市や、人口の少ない町なども巻き込んだ「やりたい仕事」を用意するといいでしょう。
県と市役所の仕事を間違えない
県庁と市役所の仕事の分担は、実際に働いてみないと分かりづらい面があります。
例えば上にも書いたとおり、、政令指定都市である札幌市、中核市である函館市、旭川市などは県から権限が移っている業務もあります。
特に都市部の話題を具体例で話すときは特に注意しましょう。
その他の志望動機の例文
やりたい仕事や志望先が絞り切れていない方は、次の記事でその他の具体例を紹介しています。
違った視点の動機をいくつか見てみるのも必ず役に立ちます。
色々な角度から公務員の仕事を見つめて、うまく志望動機を表現できるようになることを祈っています!
模擬面接を受けない人はこの本だけ読む!
模擬面接を受けない人は、「9割受かる」の本だけ読んでおきましょう。
飛び道具的な裏ワザがあるわけではありませんが、この本の内容をきっちり実践できれば合格はかなり近いと思います。
面接の座席配置の例などが載っていることなど、「あ、それ知りたかった」という内容が多くあり、とても役に立ちます。
まずはこの本をひと通り読んで、不安があれば模擬面接を考えてみるのもいいでしょう。