志望動機のために頭をひねっていると、
「そもそも本当に公務員になりたいんだっけ…」
と、わけが分からなくなる時期があります。僕もそうでした。
今回は「公務員になりたい理由なんてない」という一旦の結論に至ってしまった方に、それでも話せる志望動機をお伝えしたいと思います。
目次
志望動機はなくて当たり前?
公務員を志望する人の多くは、本音では次のような理由を考えているはずです。
・安定しているから
・転勤がないから
・営業は嫌だから
・面接が苦手だから
心から「住民の役に立ちたい!」と考えている人は少ないはずです。
多くの人は興味のある分野などから後付けで志望動機を考えています。
まずはその点で「周りの人は動機がしっかりしていてすごいなあ・・・」などと落ち込まないようにしましょう。
面接で話さない方がいい志望動機
とはいえ、もっともらしい志望動機は考えておく必要があります。
次のような内容は、たとえ本音だとしても面接では話すことは控えましょう。
雇用が安定しているから
罪を犯すなどして懲戒免職になったりしなければ、公務員は原則として職を失うことはありません。
不安定な中小企業などと比べれば、たしかに志望する理由にはなります。
しかしこの理由は当然ながら話さない方がいいでしょう。
法律などが得意だから
法学部の方などは法律が身近だったこともあり、
「行政法から興味を持った」
というような動機もあるかもしれません。
しかし、こうした動機は言い方を間違えると
「受かりそうな試験だから受けた」
と受け取られる可能性があります。
法律の解釈などの内容にとどまらず、実際の仕事のイメージをしっかり伝えることが必要です。
もし使うのであれば「自分の知識を○○の現場で活かしたいと思った」と住民と接する場面を考えておくといいでしょう。
実は話しても大丈夫な志望動機
転勤がないから
これは上に書いた「安定しているから」と近いように思えます。
しかし、話し方によってはプラスの印象も与えることができる志望動機になります。
たとえば、
「結婚して子どもが生まれることを考え、一つの地域に根を張って暮らしたいと考えた」
という理由を話すことで、
「長期的に働くことを真剣に考えて受験している」
という印象を与えることができます。
気を付けてほしいのは、こういった理由は他の動機のプラスアルファとしてしか使えないということです。
「○○の仕事がしたいと考え、志望しました。また、家族のために一つの地域に根を張って暮らしたいと考えたのも動機のひとつです」
というような形です。
やりたい仕事だけを話すとどうしても嘘っぽさが出ますが、「転勤がない」という理由を一つ付け加えるだけで正直な印象になると思います。
地元だから
これも「地元というだけでは理由にならないんじゃ?」と思うかもしれませんが、立派な志望動機です。
面接で話すメリットとしては、面接官が否定できないということが挙げられます。
たとえば、「子育て支援に関わる仕事をしたい」という志望動機を話したとします。
これに対しては面接官は「それは民間企業でもできますけど、なぜ公務員なんですか?」
と聞き返すことができます。
これに対して「地元である○○市をより良くしたい」という動機は、「地元である」という部分は否定することができません。
一見浅い動機にも思えますが、事実をもとにした立派な動機であり、面接でも実は有効な内容です。
志望動機の具体例
はじめから地元愛を前面に出す場合
私は、地元である○○市をより良くする仕事がしたいと考え、志望しました。
この市でも近年、高齢化や人口減少をはじめ様々な課題もあると聞きます。
私は生まれも育ちも○○市です。この土地に住むことの魅力を多くの人に知ってほしいですし、また、その魅力が今後も保たれ、より大きくなってほしいと強く感じています。
私のように「ずっとこの市に住んでいたい」と思う人を増やすことに、これまでの経験から培った力を生かしていきたいと考え、今回採用試験を受験しました。
深堀りする質問に「地元愛」で返答する場合
【質問】
その仕事は他の自治体でも出来るんじゃないですか?
【回答】
生まれ育った○○市をより良くしたいという思いがありました。
どの自治体でも同様の課題はあるかと思います。地元である○○市でその課題を解決すること、また、それが他の自治体のモデルとなるような仕事にも取り組んでみたいと考えています。
転勤がないことを理由として上乗せする場合
【質問】
民間企業でもよかったんじゃないですか?
【回答】
民間企業だと利益をあげることが前提になってしまうため、そうでなくお金がない方にもしっかりと向き合える自治体の業務に取り組みたいと考えました。
また、正直に申し上げると、今後家庭を持つことを考え、環境にも恵まれたこの○○市に根を張って暮らしたいと思ったことも理由も一つです。
模擬面接を受けない人はこの本だけ読む!
模擬面接を受けない人は、「9割受かる」の本だけ読んでおきましょう。
飛び道具的な裏ワザがあるわけではありませんが、この本の内容をきっちり実践できれば合格はかなり近いと思います。
面接の座席配置の例などが載っていることなど、「あ、それ知りたかった」という内容が多くあり、とても役に立ちます。
まずはこの本をひと通り読んで、不安があれば模擬面接を考えてみるのもいいでしょう。
いかがでしょうか?
地元愛や転勤がないことなども、十分に志望動機になり得ます。
ただし、その他にもやりたい仕事やその理由は用意しておく必要があります。
こちらの記事で自治体別、やりたい仕事別などで志望動機の例文をまとめていますので、自分の長所に合ったものを探してみてください。
色々な角度から公務員の仕事を見つめて、うまく志望動機を表現できるようになることを祈っています!