公務員を目指す皆さんは、筆記試験の勉強とともに面接の準備が必要になります。
想定する質問としてまず準備するのが志望動機ですよね。
とはいえ、「安定しているから」とか「転勤がないから地方公務員」というのが正直な理由の人も多いのではないでしょうか。
また、民間企業と違い仕事の分野が幅広いことも、志望動機をつくりづらくしている理由だと思います。
よく聞く志望動機に「まちづくりに関わりたい」というものがあります。
たしかに住みよい街をつくることは公務員の使命ですが、いまいち具体的に何がしたいのか見えづらい言葉です。
そこで今回は、「まちづくり」をテーマとした、県庁の志望動機のつくり方について考えていきたいと思います。
目次
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県庁の志望動機として「観光」は使える?実際の仕事や民間との違い
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公務員は設計図を書かない
まず気をつけなければいけないのは、公務員は設計図を書かないということです。
まちづくりというと、駅前にきれいなデッキをつくって、商業施設を建てて…というような、大きな建物をつくる仕事を思い浮かべている人が多いかと思います。
間違ってはいないのですが、そういったものの具体的な外観をつくるのは役所から委託を受けた民間企業の仕事です。
建物を建てる場合には、
・環境に配慮した設備にすること
・○○の基準に沿った構造にすること
のように条件設定をしたうえで、受託する業者を選定するのが公務員の仕事です。
面接で「まちづくりでどんな仕事がしたい?」と聞かれたときに
「○○なデザインを取り入れたい」
というような回答は、少し公務員の仕事とずれてしまうので注意が必要です。
ポイント
・設計図を描くのは民間企業の仕事
・その基になる条件を設定するのが公務員
ソフト面での「まちづくり」の視点は好印象
地方公務員の仕事は「作って、終わり」ということがほぼありません。
過去から長く使用してきた施設を、限られた予算でなんとか維持管理していることも多々あります。
新たに建物や広場などをつくるには億単位のお金がかかり、そうした取り組みは頻繁に行えるものではありません。
そうした役所がまちを良くするために行えるのは「ソフト面」での取り組みだと思います。
例えば、消防団に入る若者が減っている地域なら、若者の消防団入団に向けたキャンペーンを打つことで「安全安心なまちづくり」につながると思いませんか?
地域全体で子育てをサポートする「子育てしやすいまちづくり」などもいいかもしれません。
自分の描いていたハード面でのまちづくりの目的を、ソフト面で達成できないか考えると、実際の業務に近い発想で志望動機を構築することができ、面接官の印象も良くなるはずです。
ポイント
まちづくりはソフト面から考える!
例えば、防災に関する自治体の取り組みであればこちらの記事で紹介しています。
具体的な事例を挙げられると、面接での説得力がより向上します。
他の自治体との違いを挙げる
まちづくりについて少し具体化したところで、「公務員になりたい理由」から「○○市で働きたい理由」「○○県の職員になりたい理由」にブラッシュアップしてきましょう。
その際は以下のような視点から考えると、よりやりたい「まちづくり」が受験する自治体で取り組む仕事に近づき、面接でも「真剣に考えてきたな」という印象につながります。
海や川などの条件
まず分かりやすいのは、川や海、山などの地形の面でしょう。
「○○市は、海と山に囲まれた市街地が多く、…」
「◆◆県は、県土に占める川の割合が全国でも高く、…」
など、対策が必要な理由を地形の面から説明することで、その県だからこそ取り組みたい課題に話を繋げることができます。
例えば、その自治体に河川が多ければ
・水害に強いまちづくり
・水辺を活用した子育て空間づくり
など、より具体的になりますよね。
人口の多さや年齢の比率
単純に人が多いか少ないか、またはお年寄りが多いなどの年齢層の特徴も、まちづくりの取り組みに影響してきます。
山間部で高齢者の多い地域があれば、買い物などの移動手段も考える必要があります。
誰一人取り残さないSDGsの考え方とつなげられる面もありますね。
東京や大阪付近の人口が多い地域においては、待機児童の問題などの課題があるはずです。
受験する都道府県や市区町村の人口、年齢ごとの割合、昼夜の人口差など、その県だから必要な取組も考えてみると、他ではなくその自治体を志望した理由につなげることが出来るはずです。
自分の長所と繋がる仕事を挙げる
最後に使えるのが、自分の長所とやりたい仕事をつなげる言葉です。
まちづくりは幅広い言葉ですが、大切になる能力は
・まちの現状や課題を分析する力
・課題の解決策を考える企画力
・住民や企業、他部署を巻き込むリーダーシップ
などが挙げられると思います。
こうした課題解決のために周囲を巻き込んだ経験がある人は、それを交えて話すとアピールにつながると思います。
志望動機の具体例
では、実際に「志望動機を教えてください」と聞かれたときの答えの具体例を挙げてみます。
(「…」など少し喋り言葉に近づけています)
あまり詳細に答え過ぎないことで、次にくる質問を予想することも出来るので、少しぼやかすのも一つのテクニックです。
「具体的にはどういうことをやってみたい?」
という質問には答えられるように準備しておきましょう。
子育てしやすいまちづくり
私が○○市を志望した理由は、「子育てしやすいまちづくり」に取り組んでみたいと考えたからです。
最近、東京都から人口の流出がみられているというニュースを耳にしました。
○○市は都心へもアクセスでき、かつ自然が多く残っている、テレワークが普及する時代に現役世代が移住するのにとても適した土地です。
特に、◆◆川を中心とした自然環境は他にはない魅力だと思います。
それらを保全するだけでなく、教育の場であったり、家族の憩いの場であったり…特に子育てのシーンに寄り添った更なる魅力を生むことにもつなげられるのではないかと考えました。
そうした魅力を生み出すことで、○○市に住みたい人を増やし、更に活気のある魅力ある市にしていく…そんな仕事に取り組んでみたいと思い、志望しました。
災害に強いまちづくり
私は、「災害に強いまちづくり」に取り組みたいと思い、○○市を志望しました。
○○市は、河川や丘陵など、さまざまな自然が魅力だと感じていますが、その反面、災害のリスクも少なくない土地だと思います。
それらのリスクを工事などのハード面の整備で取り除くのは、1年や2年ではできないことです。
私も災害について調べる中で、防災教育や、ハザードマップの整備、介護が必要な方の避難の想定など、ソフト面での対策が多く必要なことを知りました。
私は土木等の専門知識はありませんが、そうしたリスクをソフト面から軽減し、○○市の自然を災害の心配なく楽しんでいただけるような環境づくりに取り組んでみたいと思い、志望しました。
模擬面接を受けない人はこの本だけ読む!
模擬面接を受けない人は、「9割受かる」の本だけ読んでおきましょう。
飛び道具的な裏ワザがあるわけではありませんが、この本の内容をきっちり実践できれば合格はかなり近いと思います。
面接の座席配置の例などが載っていることなど、「あ、それ知りたかった」という内容が多くあり、とても役に立ちます。
まずはこの本をひと通り読んで、不安があれば模擬面接を考えてみるのもいいでしょう。
その他の志望動機の例文
やりたい仕事や志望先が絞り切れていない方は、次の記事でその他の具体例を紹介しています。
違った視点の動機をいくつか見てみるのも必ず役に立ちます。
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