就職先を考えるうえで、公務員試験を受けるか民間企業を目指すか迷う場面があると思います。
両方を受けるという人もいるでしょう。
では、その決断をどういった視点で考えればいいんでしょうか?
今回は、新卒時は民間企業の就職活動、その後転職で公務員試験を受けた僕の経験から、民間か公務員かを決めるときに考えておいた方がいいポイントをお伝えしたいと思います。
目次
やりがいだけを見ていないか
特に民間企業を目指している人に多いと感じます。
特定の華のある分野に特化して就職活動を進めている人は注意してほしいです。
たとえばブライダル関係や、レジャー施設関係の会社などです。
華やかなイメージもあり、女性の志望者がとても多いと思います。
仕事の内容をイメージしやすいのも、志望者の数に繋がっているでしょうか。
ですが、こういった業界に付きまとうのは土日勤務が基本だということです。
就職活動で分かってはいても、こうした条件で長年働くイメージをしっかり持てている人は少ないのではと思います。
僕自身も、土日勤務のある会社に就職し、なかなか友達に会えなかったことも転職を決意することに繋がっています。
地方の勤務地も、しっかり調べてほしい部分です。
仙台といいつつも仙台駅から程遠い場所にあるような場合もあります。
こうした勤務地や休日については、就職活動の面接では「大丈夫です!」と言うしかないですが、正直言えば避けたいという人もなかにはいるはずです。
自己暗示にかからないよう、自分の中で求める労働条件をしっかり見直してみてください。
ポイント
自己分析のやりすぎで業種だけを見ていない?
「生活をするために給料を稼ぐ」
→「どんな生活をしたいのか」を見つめなおそう!
採用試験の形式で選んでいないか
公務員志望の方、「面接が苦手だから、筆記試験がある公務員」と選んではいませんか?
近い考えで「コミュニケーションが苦手だから、営業のない公務員」という人もいると思います。
このように消去法的に公務員を進路に選ぶのはリスクがありおすすめできません。
公務員試験も面接は重要
まず一つ目のリスクは、公務員試験も面接を重視するようになっている点です。
たしかに筆記を突破すれば、倍率が3倍くらいになっている自治体は多いです。
しかし、配点自体は面接も重いものになっています。
実際に僕は筆記試験から面接で順位を200位近く上昇させて合格しています。
「筆記さえ高得点をとれば合格」ではないことを念頭に置きましょう。
また、公務員試験受験者で面接の経験がほとんどない人は危険です。
どれだけ練習しても、やはり本番の緊張感は想像を上回ります。
民間と併願している人や、社会人経験者と同じ土俵で戦うには、面接が苦手だから公務員しか受けないというのは最大のリスクです。
重い腰を上げて民間企業の面接を最低でも2つくらいは受けておいた方がいいと思います。
公務員の仕事は他人との調整がとても多い
また、コミュニケーションが苦手な人は公務員になった後に苦しむかもしれません。
市役所の窓口の向こうでデスクワークしているイメージが強い公務員。
実際は住民とのやり取りや、他の自治体との連絡、議員との調整などコミュニケーションをたくさん取らなければいけない仕事です。
僕は道路を造るための土地の買収をする担当にも配属されていましたが、デスクワークなどほぼしない、外回りの営業状態でした。
県庁や市役所、区役所などでは知らない人の家にピンポンして回る仕事もあると考えたうえで、公務員を目指す決断をしてほしいです。
ポイント
「面接が苦手」が理由の公務員志望は危険!
公務員は実はコミュ力を使う仕事!
「公務員」の幅広さを知っているか
よく国家一般職、県庁、特別区、市役所、国税専門官などをたくさん併願している人を見かけます。
こうした方々はそれぞれの仕事の違いを理解しているか心配になります。
国家公務員であれば省庁により仕事の分野が大きく違ってきますし、県庁と市役所でも業務の内容や勤務地など異なる点は多いです。
共通点と言うと、公のための仕事ということと、給与水準、クビにならないことくらいでしょうか。
就職活動でいえば、バラバラの業界を数社だけ受けているような状態にも思えます。
もちろん将来の安定を求めて公務員を目指しているのであれば全く問題ありません。
ただし、公務員に一度なると、それ以上の待遇の会社への転職はなかなか難しくなります。
合格して仕事を始めてから「イメージと違う」とならないよう、実際に長く働いてもいいと思える組織を選んで受験するといいでしょう。
ポイント
公務員というだけで幅を広げ過ぎてない?
一度冷静に自分が働くイメージをしてみよう
その職場で何年間働くのか
公務員志望という方はほとんどが定年まで公務員を続けるつもりで考えていると思います。
ですが、今や終身雇用が当たり前という時代は変わり始めています。
民間企業で勤めてから公務員へ転職することは難しいことではありません。
ですが、公務員から民間企業への転職はなかなか踏み出している人は多くありません。
たとえば、まず一つ目のキャリアとして営業職でコミュニケーションスキルを磨き、他の業界も含めた2社目を考えるという人生設計もあるでしょう。
これからの働き方の変化などを見据えて、IT系の企業で知識を得るのもいいと思います。
そのうえで「やはり絶対の安定や土日休みを重視したい」となれば、公務員に転職することも出来ます。
なかなか「公務員で得た知識やスキルを他で活かす」というイメージは、民間と県庁両方を経験した身として残念ながら沸いてきません。
ポイント
2社目が当たり前の社会で、1社目に公務員を選ぶのか?
そんな視点を持って、民間か公務員かを選ぶといいのではないかと思います。