首都圏で公務員を目指している人のなかには、特別区と県庁を併願している人も多いのではないでしょうか。
県庁も特別区も、行政の広い分野を地域のために取り組めるという共通点があります。
当然試験の時はどちらも「第一志望です」と言うと思いますが、いざ両方受かったらどちらに行くべきか。
働きながらの受験で、2つの試験を受ける暇はないという方もいるかもしれません。
今回は特別区と県庁どちらも合格し、県庁を選んで働いている僕が思う、県庁と特別区の選び方についてお伝えしたいと思います。
区役所の方が住民と近いけど…?
区役所の方が住民と接する仕事がある。というのはよく使われる志望動機だと思います。
僕は県庁で働いていますが、
「思ったより住民と接する仕事が多い」
と強く感じています。
実際、一人の区民として住んでいれば、都庁に行くことよりも区役所に行くことの方が格段に多いと思います。
ただし、県庁でも皆さんが直接は見たことのない
・生活保護のケースワーカー
・県道を拡幅するための土地買収交渉
・児童相談所
・保健所
などなど、住民が直接来る窓口に配属されることは全く珍しくありません。
区役所でも、区民課のようなフロントにある課以外に、上の方の階にあるよくわからない課が何をしているか調べてみるといいと思います。
きっと住民と接さない、重要なセクションがあるはずです。
「区役所で住民と接さない仕事」
「県庁で住民と接する仕事」
は調べてみると面白いと思います。
一概に「住民と接したくないから県庁」「区民との接点が多いから区役所」という決め方が全てではないことが分かると思います。
家賃や通勤時間はチェック必須!
仕事内容のことは皆さん調べると思います。
実際に働いてみて一番感じているのは、
「下り電車での通勤最高…」
ということです。
正直、港区みたいなハイソな街で働くことにも憧れました。
しかし、冷静に考えると公務員の給料では港区に住むことはとてもハード。
家族なんかが増えた際にはもうインポッシブルです。
職場の近くに住めないとなると、必然的に少し離れた、場合によっては隣接する県に住むことになります。
満員電車にもゆられて通勤することでしょう。
そんな時に「最初から県で働けばよかったのでは?」と思わないように、通勤の大変さを含めて天秤にかけることがとても大事です。
また、将来持ち家を考えている人は土地の値段やマンションの価格相場を見てみるといいです。
東京の郊外でも、隣接県のベッドタウンの倍近く高いことがあります。
公務員の収入で戸建てを買うとなれば、やはり区役所までの通勤時間はかなり長いものになってしまいます。
将来の家、通勤電車、ぜひ区か県かの選択の際に考えてください。
注意ポイント
通える範囲の家の値段は要比較!
給料は区役所の方が良い?
なんとなく区役所より県庁の方が規模が大きい感じがしますが、給料は区役所の方が高いです。
それは「地域手当」というものが関わっています。
基本的には同じ基準をもとに給料は定められますが、やはり家賃や物価など、地域によって異なる部分があります。
そういった差を調整するのが地域手当です。
ものすごく簡単に言うと、給料に決まった率をかけることで、地域ごとの差を調整する仕組みです。
たとえば、同じ首都圏でも地域によってこのくらい差があります。
地域手当の支給割合
港区役所:20%
千葉県庁: 9%
この率を基本給にかけた金額が地域手当として支給されます。
なので20万円が基本給だとしたら、
港区役所では+4万円支給されるところ、千葉県庁では1万8千円しか支給されないことになります。
同じ東京都内だとしても、西の方の市役所と23区役所では収入が変わってきます。
給料が上がっていくとその差はさらに大きくなりますね。
通勤が苦ではなく、手取りの多さを求めるなら、区役所の方が金額としては高くなるのでいいかと思います。
目先の試験ではなくライフプランと相談を!
仕事の内容ややりがいなど、面接で語る内容の多くは実際に働いてみないと分からないことです。
そういった内容はさておき、就職したらどこに住むか、どういう環境で子育てしたいか、満員電車は嫌だなあ…
仕事そのものでない面を考えることが一番大事だと僕は思います。
そういった面であれば、試験を受ける前からある程度考えることができるはずです。
区役所と県庁に合格して、県庁を選んだ僕は今、全く後悔はしていません。
どうしても場所のカッコよさや響きにつられるところもあると思いますが、ぜひ自分のライフプランという面で考えてみてほしいと思います。
公務員と民間の面接を突破した僕が選ぶ必携本
基本的なマナーなど、面接については「9割受かる」の本を読んでおけば間違いなし!
飛び道具的な裏ワザがあるわけではありませんが、この本の内容を実践できれば合格はかなり近いです。
座席配置の例などが載っているなど、「あ、それ知りたかった」という内容が多くあり、とても役立ちます!
公務員になるには当然面接試験があります。
対策として、まず考えるのは志望動機ですね。
次の記事で志望動機の具体例を紹介していますので、ぜひご覧ください。